毎月分配型投資信託の仕組みと注意点

毎月分配型投資信託の仕組みと注意点

こんにちは、皆さん。今日は、投資信託の中でも特に人気の高い「毎月分配型投資信託」について、深掘りしていきたいと思います。

毎月分配型投資信託は、その名の通り、毎月一定額の分配金を受け取ることができる投資信託です。定期的に収入を得られるというメリットから、多くの投資家に選ばれています。

しかし、毎月分配型投資信託にはいくつかの注意点もあります。分配金の仕組みを理解していないと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があるのです。

今回は、毎月分配型投資信託の仕組みや特徴、メリットとデメリットを詳しく解説した上で、賢く投資するためのポイントを紹介します。この記事を読めば、毎月分配型投資信託について一通りの知識が身につくはずです。

それでは、さっそく始めていきましょう!

毎月分配型投資信託とは

仕組みと特徴

毎月分配型投資信託は、投資家から集めた資金を株式や債券などに投資し、その運用成果を毎月分配金として投資家に支払う投資信託のことを指します。

毎月分配型投資信託の主な特徴は以下の通りです。

  1. 毎月決まった日に分配金を受け取ることができる
  2. 比較的高い分配金利回り(年率3〜5%程度)が期待できる
  3. 安定的なインカムゲイン(利子や配当などの収入)を得ることができる
  4. 元本の変動リスクを抑えながら、投資を始められる

こうした特徴から、定期的な収入を得たい人や、リスクを抑えつつ中長期的な資産形成を目指す人に人気の商品となっています。

実際、投資信託協会の調査によると、毎月分配型投資信託の残高は年々増加傾向にあり、2021年3月末時点で約26兆円に達しているそうです。多くの投資家が毎月分配型投資信託に注目していることがわかりますね。

メリットとデメリット

毎月分配型投資信託のメリットは、何と言っても毎月分配金を受け取れることです。老後の生活資金の一部としたり、ちょっとした贅沢に使ったりと、用途は人それぞれ。安定的な収入を得られるのは、大きな魅力ですよね。

また、投資初心者にとっては、投資の感覚を掴むのにちょうど良い商品だと言えます。毎月の分配金を受け取ることで、投資の成果を実感しやすいからです。

一方で、デメリットもあります。大きなデメリットは、分配金の支払いによって投資信託の基準価額が下がること。つまり、分配金を受け取れば受け取るほど、投資信託の元本が目減りしていくのです。

これは、分配金の正体と深く関係しています。次の章で、分配金の実態について詳しく見ていきましょう。

分配金の正体

分配金の源泉

毎月もらえる分配金は、一体どこから来ているのでしょうか?実は、分配金の源泉は大きく2つに分けられます。

  1. 投資信託が得た収益(配当金や利子など)
  2. 投資家から集めた元本

1つ目の「投資信託が得た収益」は、文字通り投資先から得た収益のことです。投資信託が株式や債券に投資して得た配当金や利子などが、この部分に当たります。

問題は2つ目の「投資家から集めた元本」です。これは、要するに皆さんが投資した大切な元本が、分配金という形で自分に返ってきているということ。ちょっと驚きですよね。

こうした分配金の仕組みを「分配金の出所」と呼びます。投資信託によっては、分配金の大半が投資家の元本から支払われているケースもあるのです。

分配金と投資信託の基準価額の関係

分配金が投資家の元本から支払われるということは、分配金の支払いによって投資信託の基準価額が下がることを意味します。

例えば、基準価額が10,000円の投資信託で100円の分配金が支払われたとします。この場合、分配金支払い後の基準価額は9,900円になります。つまり、100円分の元本が減ったということですね。

分配金と基準価額の関係を表にまとめてみましょう。

分配金 基準価額
支払い前 10,000円
支払い後 9,900円

このように、分配金の支払いは、投資信託の基準価額を下げる要因となります。特に、投資信託の運用成績が芳しくない場合、分配金の支払いによって元本が大きく目減りしてしまうリスクがあるのです。

こうした分配金と基準価額の関係を理解することが、毎月分配型投資信託を選ぶ上で非常に重要なポイントになります。

毎月分配型投資信託の選び方

運用方針と資産配分の確認

毎月分配型投資信託を選ぶ際は、まず運用方針と資産配分を確認することが大切です。

運用方針は、その投資信託がどのような投資先に投資するのかを示したもの。株式中心なのか、債券中心なのか、あるいはバランス型なのかによって、期待されるリターンとリスクが異なります。

資産配分は、株式や債券など、どの資産にどれくらいの割合で投資するのかを表しています。一般的に、株式の比率が高いほどリターンの期待は大きくなる一方、リスクも高くなります。

自分のリスク許容度に合った運用方針と資産配分の投資信託を選ぶことが、賢明な投資家の第一歩ですね。

信託報酬と手数料の比較

次に確認したいのが、信託報酬と手数料です。

信託報酬は、投資信託の運用管理にかかる費用のこと。運用会社への報酬や、投資先の売買手数料などが含まれます。一方、手数料は投資信託の売買にかかる費用で、購入時手数料と換金(解約)時手数料があります。

これらの費用は、投資信託の運用成績に大きな影響を与えます。同じような運用方針の投資信託でも、信託報酬や手数料が高ければ、それだけ分配金や運用成績が下がってしまうのです。

JPアセット証券の調査によると、毎月分配型投資信託の平均的な信託報酬は年率1.5%前後とのこと。できるだけ信託報酬の低い投資信託を選ぶことが、長期的な運用成績の向上につながります。

手数料についても、購入時手数料が無料または低めの投資信託を選ぶのがおすすめです。

分配金利回りだけに惑わされない

毎月分配型投資信託を選ぶ際、ついつい分配金利回りの高さに目が行きがちです。しかし、分配金利回りが高いからといって、必ずしも良い投資信託とは限りません。

なぜなら、先ほど説明したように、分配金の支払いは投資信託の基準価額を下げる要因となるから。高い分配金利回りを維持するために、投資信託の元本を取り崩して分配金を支払っているケースもあるのです。

こうした投資信託は、一見魅力的に見えて実は危険。分配金利回りが高くても、元本が目減りしていくようでは意味がありません。

投資信託選びでは、分配金利回りだけでなく、トータルリターン(分配金と基準価額の変動を合わせたもの)を見ることが大切です。

トータルリターンで見れば、分配金利回りが低くても、基準価額の上昇で十分にカバーできる投資信託もあります。一方、分配金利回りが高くても、基準価額の下落でトータルリターンがマイナスになる投資信託もあるのです。

分配金利回りに惑わされず、トータルリターンで投資信託の実力を見極めることが賢明だと言えますね。

毎月分配型投資信託の税金

分配金に対する税金

毎月分配型投資信託の分配金には、税金がかかることを覚えておきましょう。

分配金は、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)に分けられます。このうち、普通分配金は配当所得とみなされ、総合課税の対象になります。

一方、元本払戻金(特別分配金)は、税金がかからず、投資信託の取得価額から差し引かれます。これは、元本払戻金(特別分配金)が投資家の元本の一部として扱われるためです。

ただし、元本払戻金(特別分配金)を受け取ると、その分投資信託の取得価額が下がります。その結果、将来投資信託を売却した際の売却益が大きくなり、税金が増えるというデメリットがあります。

分配金に対する税金の仕組みは少し複雑ですが、しっかりと理解しておくことが大切ですね。

売却益と償還益に対する税金

投資信託を売却したり、償還を迎えたりした際に発生する売却益や償還益にも、税金がかかります。

これらの益は、原則として譲渡所得とみなされ、総合課税の対象になります。税率は、所得税が15%、住民税が5%の合計20%(2021年現在)。

ただし、NISA(少額投資非課税制度)を利用していれば、一定の範囲内で非課税になります。NISAは、年間120万円まで、最長5年間の投資枠が非課税となる制度です。

毎月分配型投資信託に投資する際は、NISAの活用も検討してみると良いでしょう。

まとめ

さて、ここまで毎月分配型投資信託について詳しく見てきました。最後に、ポイントをおさらいしておきましょう。

  • 毎月分配型投資信託は、毎月分配金を受け取れる投資信託
  • 分配金の源泉は、投資信託の収益と投資家の元本の2つ
  • 分配金の支払いによって、投資信託の基準価額は下がる
  • 投資信託選びでは、運用方針や資産配分、信託報酬などを総合的に判断することが大切
  • 分配金や売却益、償還益には税金がかかる

毎月分配型投資信託は、うまく活用すれば安定的な収入を得られる魅力的な商品です。しかし、分配金の正体や基準価額との関係を理解せずに投資すると、痛い目を見ることもあります。

投資は、リスクとリターンのバランスが大切。自分に合った投資信託を選ぶためには、しっかりとした知識を身につけることが欠かせません。

今日学んだことを胸に、自分に合った投資信託を選んでいきましょう。皆さんの投資が実りあるものになりますように!

最終更新日 2025年7月7日

コメントは受け付けていません。