
スイッチング電源とはメリットについて
スイッチング電源は電力を交換する仕組みの1つで、文字通りスイッチのON・OFFによって目的の電圧を作り出し、取り出せるのが特徴です。
リニア電源は仕組み上、少なからず損失が発生してしまうのが欠点で、損失分は熱になってしまいます。
その為、規模が大きい電源では冷却装置が必要になることもありますから、余計に電力の消費量が増える結果となります。
目次
OFFの時は電流が流れず発熱も起こらないので合理的
その点、スイッチング電源はスイッチの切り替えで電圧を下げるので、OFFの時は電流が流れず発熱も起こらないので合理的です。
電力を消費せず環境負荷も抑えられますから、エコが重要な時代にマッチする電源だといえるでしょう。
高速でスイッチを入れ替える必要があることから、構造が複雑になったり、故障の確率が上がるといった欠点は存在します。
しかし、長い目で見れば運用コストを抑えられたり、発熱による故障に悩まされずに済むメリットがあらわれます。
リニア電源は降圧こそ可能ですが、昇圧は不可能なので用途が限られてしまいます。
設計が良くないと発熱量が増えてしまうのが難点
また効率は低く、設計が良くないと発熱量が増えてしまうのが難点です。
対するスイッチング電源は昇圧可能で効率は90%台も実現可能ですし、大電力でも発熱が生じにくいといったメリットがあります。
設計がやや複雑になること、部品点数が増えることを除けば、総合的に魅力のある電源に間違いないです。
従来からスイッチング時に発生するノイズが課題の1つでしたが、現在は技術の進歩によって対策方法が充実していますし、実際に問題になることは殆どないでしょう。
スイッチング電源が使用される場所
身近なところで使用されていることが多いのはパソコンの電源で、日本の100V以外の電圧でも動作するようになっています。
つまり、コンセントの電圧を意識せずに使えるので、コンセントの形状さえ合わせれば電圧に合わせて電源を変える必要がないわけです。
これは国内外を行き来することが多い人にとって、いくつも電源を持ち歩いて使い分けずに済むメリットとなります。
海外にも製品を輸出している企業も、1つの電源で複数の国に対応できるメリットが得られます。
安全や環境に関する規制に合致した設計を行うことは必要ですが、国別に設計したり製造を行わなくても良いのは魅力的です。
リニア電源だと、降圧の為にトランスを搭載する必要性があるので、サイズを小さくすることに限界が生じて大きく、重くなってしまいがちです。
スイッチング電源はコンパクトかつ軽量にできる
スイッチング電源は設計が複雑で部品点数は多いですが、コンパクトかつ軽量にできるメリットが存在します。
手のひらサイズのACアダプタの多くは、このスイッチング方式で設計されていますから、小さくて嵩張りにくく、手に持った時に軽く感じるはずです。
使用中の発熱も小さいですから、手で触れても熱く感じたりやけどをする心配はないでしょう。
もしやけどするような熱さであれば、それは故障が疑われますから、発熱の少なさが早く故障に気がつける切っ掛けになります。
万が一故障しても、同じ出力電圧で電流量にも問題がない代わりのACアダプタを用意すれば、再び機器を使い始めることができます。
テレビの電源として内蔵されていたりする
スイッチング電源は、パソコンやACアダプタ以外にも活躍しており、例えばテレビの電源として内蔵されていたりします。
電源部のサイズがコンパクトなので組み込みやすく、発熱が小さいことから機器の冷却や信頼性に悩まずに済みます。
ノイズが発生するので対策は必要ですが、簡単な対策でも十分な効果に期待できますから、特に設計におけるネックや欠点になることはないです。
環境問題や地球温暖化、持続可能な社会の実現を考えると、電気がなくては成り立たない現代においては効率的な電源が必要不可欠です。
スイッチング電源はまさに、電気を効率的に使うことができて、環境負荷を減らせる理想の電源だといえます。
手間がかからず地球環境を守る助けにもなる
地球の人口は増える一方で電力消費量も増加していますから、消費する電力を減らす必要があるのは当然ですが、人の方を減らすのは難しいので電気の使い方を工夫する他ないです。
ただ、節電には限界があって効果も大きくないですし、何より人が手間と感じるやり方だといずれ誰もやらなくなってしまいます。
ところが電源側で工夫を行い消費電力を減らすことができれば、手間がかからず地球環境を守る助けにもなるので一石二鳥です。
その有力で現実的な選択肢の1つとなるのがスイッチング方式で、仕組みはシンプルなのに効果は絶大というのが魅力です。
確かに設計や製造にコストは掛かりますが、今は技術がこなれていますから、コストを抑えることは十分に可能です。
まとめ
既に広くスイッチング方式を採用した製品が普及していることからも、有用性が認められていて問題の対処に貢献していることが分かります。
電源1つで効率を高めて消費する電力を減らせるわけですから、既存のリニア電源を置き換える選択肢として、前向きに検討する価値があるでしょう。
発熱量が減るということは、熱により上昇した室温を冷房で下げる必要もなくなるので、やはり合理的で無駄が少ない電源です。
最終更新日 2025年7月7日